ヤスというあだ名の市川安雄は、世界でも類を見ない「間抜け」な男である。学校教育を受けておらず、野暮天で、冷静さを失えばすぐに拳を放つ。しかし、ヤスが普通のバカと違うのは、「溺愛する親」であることだ。親を持たずに育ち、親しいということを知らないが、夫婦で愛し合い、息子の晃の成長を見ながら幸せに暮らしている。しかし、晃が3歳になったとき、突然悲劇に見舞われる。ヤスは不慮の事故で妻を亡くしてしまう。罪悪感と悲しみに打ちひしがれながらも、ヤスはそれを乗り越え、友人たちの助けを借りて最愛の息子を育てようとする。
~~ 2008年、重松清の小説「とんび」を映画化。