颯爽としたハンサムな岸啓一太郎は、蒼峰会第一総合病院唯一の病理医。強烈な変人、毒舌家と言われるほど、極めて優秀な医師である。医学の正義と患者の命のためなら、相手が誰であろうとぶつかり合う。周囲の医師からは厄介者扱いされるが、彼の判断には決して逆らわない。言葉を濁さないからこそ、敵ばかりができる。岸と同じ病院に勤める神経内科の新人医師・宮崎千尋は、先輩医師・高坂英俊から毎日説教をされている。仕事の効率を重視する彼の姿勢に疑問を感じながらも、反論することはできない。
~~ フラジャイル~病理医・岸啓一郎の所見~』(草水敏・三郎めぐみ)より転載