台湾映画界のフォーリーアーティストの巨匠、胡丁乙の舞台裏に迫る。ありそうでなかった日用品で音を作り出す彼の技術は、消滅の危機に瀕している。1975年から台湾最古の映画会社・中央電影で働き、40年の生涯を映画界に捧げ、70本の映画のフォーリーを担当し、その知識を後進に伝えようとした不世出の芸術家の「職人魂」を称え、喚起する胡丁儀の日常を追った王穣監督作品。デジタル効果音に取って代わられつつあるフォーリーアーティストの苦難と成功を描くことで、台湾、香港、中国の中国語圏の映画産業全体の発展を視野に入れ、忘れられがちな音の魔術師フォーリーという芸術に光を当てている。
(出典:AAIFF)