田中春男は、日本の映画俳優で、70年にわたるキャリアを持つ名脇役であった。
京都に生まれた田中は、映画俳優になるために学校を辞め、1925年に日活撮影所に入社した。その後、花井蘭子、市川春代などの女優を相手に、二枚目、三枚目と昇進していくが、マチネー・アイドルとしては成功しなかった。永田雅一の後、第一映画、新公キネマを経て、フリーになる。小津安二郎、溝口健二、山中貞雄、黒澤明、内田吐夢、成瀬巳喜男、マキノ雅弘などの監督の作品に、時代劇、時代劇を問わず250本以上出演した。特にコミカルな役柄を得意とした。また、テレビの時代劇にも数多く出演した。
1992年2月21日、肺がんのため死去。