高田稔は、1920年代から1930年代にかけて無声映画で活躍した日本の俳優である。晩年は軍人のような権力者を演じることが多く、SF的な役柄が大半を占めた。
高田は、1918年に東京音楽学校を中退し、オペラ歌手石井寛の一座に加わり、浅草オペラに出演した。1924年からエンパイア・キネマ、日活、松竹、富士フィルムなどの映画に出演し、1934年には富士フィルムが高田プロダクションに改称された。この頃、しゃべる映画が一般的になり、高田は初めて映画の中でしゃべるようになった。
1937年に東宝に移籍した高田は、戦前まで主にソープオペラ風のドラマに出演していたが、年齢と体格から戦争映画の軍人役が向いていた。戦後は作品数が激減したが、70年代前半まで東宝映画に根強く出演していた。
高田といえば、『宇宙戦争』(1959年)の地球軍司令官、『三つ首怪獣ギドラ』(1964年)の総理大臣役が有名である。また、『タクラマカンの冒険』(1966年)には面白いカメオ出演をしている。
(出典:Godzilla Cineaste)