東京出身の羽仁進は、後に「ヌーベルバーグ」と呼ばれるようになる日本の映画界にいち早く関わった監督の一人である。松竹、東宝を経て、岩波映画、出版社の映画部門に所属した後、日本の撮影所の外で仕事を始めた。その手法は、従来の映画製作の常識にとらわれないもので、短編ドキュメンタリーのシリーズを制作していた。しかし、初の長編映画となった1961年の「バッドボーイズ」でも、参加者に脚本を与えず、無指揮で本人役を撮影している。キネマ旬報賞を受賞した。
1963年のドキュメンタリー映画『手をつないだ子供たち』は第4回モスクワ国際映画祭に出品され、特別ディプロマを受賞した。代表作に「七美ちゃん」がある。寺山修司と共同脚本した『初恋地獄篇』(1968年)が代表作。
また、「彼女と彼」「アンデスの花嫁」に出演した女優の日高佐知子と結婚。