小柄で細身、イタズラ好き、虫めがねの俳優で、コミカルな役柄によく起用される。1922年、ボードビル芸人の息子として生まれ、1933年に11歳で映画デビューした。1934年、PCL(後の東宝)に入社。1938年に出征し、1945年の終戦まで日本を離れた。戦後の主な作品は、1948年の黒澤明監督の『酔いどれ天使』である。その後、黒澤明監督、本多猪四郎監督の作品に頻繁に起用される名脇役となる。
大村は『三つ首怪獣ギドラ』(1964年)で、ロダン出現直前の火口で帽子を狙う観光客役で有名である。また、『Hマン』(1958年)では不運な船員を、『キングコング対ゴジラ』(1962年)では恐怖の通訳を演じ、短いながらも素晴らしい演技を見せている。