主に映画プロデューサーとして、また脚本家、監督として活躍した日本の映画人。黒澤明監督の『七人の侍』『生きる』『血の王座』などのプロデュースで知られる。また、成瀬巳喜男監督の『春のめざめ』や『薔薇の戦い』、森和雄監督の『武士の一分』をプロデュースするなど、他の監督の映画も手がけた。 脚本家としては、黒澤明監督のお気に入りだった三船敏郎主演の熊井啓監督作品『黒部の砂』(1968年)にストーリーを提供した。
本木はプロデュースした作品以外にも、黒澤作品に影響を与えた。例えば、「羅生門」の製作に携わった。本木は脚本家の橋本忍に手紙を送り、『羅生門』の脚本を膨らませるのに協力するようにと誘ったのだ。
1940年代後半、本木は黒澤、谷口仙吉、山本嘉次郎(やがて成瀬も加わる)の各監督とともに、短命に終わった独立プロダクション「映画美術協会」を設立し、「羅生門」「静かなる闘い」「野良犬」などの作品を手がけた。