鬼頭綾は1962年7月19日、愛知県豊橋市で生まれた。中学3年生の時、転倒など体調不良を頻繁に訴え、家族が康生会病院を受診。次第に手足や言葉が不自由になり、小脳、脳幹、脊髄が萎縮し、ついには全身の運動機能を失って死に至る難病「脊髄小脳変性症」と診断された。
小脳や脳幹が萎縮しても、大脳は萎縮せず、知能は正常に働くので、闘病中は日記を書いた。1988年5月、病気の進行とともに衰弱と合併症を起こし、25年の短い生涯を閉じた。
1986年、名古屋の出版社から詩集『1リットルの涙ーナンビョーとたたかう少女たちの日記ー』が刊行された。その後、東海地方で大きな反響を呼び、2005年に幻冬舎から文庫本として出版された。2005年2月には、綾が実際に通っていた愛知県立豊橋東高等学校で現地撮影された映画「1リットルの涙」(東映)が上映された。また、テレビドラマも制作され、2005年10月11日から12月20日までフジテレビ系列で放送された。映画化・ドラマ化に加え、遺品や日記を公開する写真展も開催された。