石立 鉄男(いしだて てつお)は、神奈川県横須賀市出身の日本の俳優である。劇団俳優座13期生、劇団文学座員を経て、1970年のテレビドラマ「奥様は18歳」で大ブレイク。1980年代には数々のファミリードラマに主演し、コミカルで人情味あふれる憎めない三枚目ぶりを発揮、アフロヘアーと独特の声、言葉遣いで人気を博した。
石立は、神奈川県横須賀市で養鶏場を営む両親の四男として生まれた。戦後は米軍基地の街となった横須賀で幼少期から青年期を過ごす。
中学・高校時代は、バスケットボールに打ち込むごく普通のスポーツ少年だった。
石立は21歳の時、テレビドラマ「愛の系譜」(1963年)でデビューした。同年、ドラマ「まごころ」に初主演し、続くドラマ「夏」では、後に結婚する女優の吉村実子と共演した。
1964年3月、劇団文学座の研究生となり、劇団俳優座の卒業公演「お気に召すまま」(W・シェイクスピア作)を演じて注目を集める。同年、NHKドラマ「ふりむかないでマリー」で吉村実子と再共演。
64年、「地とダイヤモンド」(東宝)で映画デビュー。文学座に在籍した5年間で20本以上の作品に出演した。
1969年、ヨーロッパへの長期出張のため、文学座を一時休養。ドラマ撮影のため一時帰国するも、数ヵ月後に再び渡航し、4ヵ月間アメリカのニューヨークで単身生活を送る。
文学座を退団後はテレビに活躍の場を移し、1970年代から1980年代にかけては、アフロヘアーと独特の口調で知られる個性派俳優として活躍した。文学座の俳優として、山口崇、坂田時枝、小山田宗徳らと劇団「ゲバラ財団」を結成し、毎週日曜夜に渋谷ジャン・ジャンでアンギュラ演劇の無料公演を行った。
40代後半からは主演作がほとんどなくなり、サスペンスドラマやドラマスペシャルなどの脇役が中心となる。
56歳の時、吉村実子と正式に離婚。翌年、東京から静岡県熱海市に転居した。
俳優としての出演は、映画「キャプテントキオ」(2005年)が最後となった。
2007年6月1日、就寝中に急性動脈瘤破裂を発症し、静岡県熱海市の自宅で死去した。64歳没。