東野圭吾は大阪市生野区に生まれた。白夜行』『浪速少年探偵団』など、故郷での経験を作品に反映させている。元々、苗字の読みは「とうの」だったが、父親が「ひがしの」に改めた。大阪府立大学工学部電気工学科卒業。大学在学中は、弓道部の主将を務めた。デビュー作の「放課後」ではアーチェリーが使われることになる。
エンジニアとして働いていた1983年、「人形たちの家」を第29回江戸川乱歩賞に応募。高校の非常勤講師をしていた妻と結婚したのもこの頃。
1984年、第30回ランダムウォーク賞の最終選考に「牧歌」が残ったが、惜しくも敗退。翌年、「放課後」が第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタートさせた。1986年に技術者を退職し、東京に移り住んで本格的に作家活動を始める。
当初は苦戦を強いられたが、1996年『名探偵のおきて』、1998年『秘密』が受賞し、映画化されたことでブレイクする。
以後、着実に作家としての評価を高めていった。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞を受賞。この頃、妻との離婚が報じられる。
2009年より、選挙により日本探偵作家協会の会長に就任。2014年、直木賞の選考委員となる。
2011年、自著『麒麟の翼』重版の収益を阪神大震災の義援金に寄付。2020年4月、COVID-19の普及に伴い、初めて電子書籍で作品を発売することが発表された。2019年、出版界への貢献が評価され、表彰される。