畠山 獏(はたけやま ばく、1944年6月18日 – 1978年7月13日)は、『秘密戦隊ゴレンジャー』で初代キレンジャーの大岩ダイ太を演じた日本の俳優である。現在、スーパー戦隊のレンジャー役で知られている唯一の物故俳優である。
畠山は長野県南佐久郡にある南牧村に生まれた。高校卒業後、早稲田大学に入学するが、陸上自衛隊に入隊するため中途退学。陸上自衛隊に入隊するため中退。1975年、『秘密戦隊ゴレンジャー』の大岩ダイ太役が代表作となる。
畠山は、漫画家・菅谷充の従兄弟が経営する俳優事務所に所属していた。畠山は、漫画家・菅谷充のいとこが経営する俳優事務所に所属しており、ともに上京した際に菅谷と親しくなった。短編映画『フィンガー5の大冒険』(石森章太郎監督)に出演した直後、畠山はNHK人形劇『真田十勇士』の漫画化について菅谷と話すために石森のスタジオに行った。その頃、石森プロのマネージャーは、東映の平山亨プロデューサーから「秘密戦隊ゴレンジャー」のオーディションの依頼を受ける。キレンジャーを誰がやるかという話になった時、菅谷がわざわざ石森に畠山の名前を出し、平山もそれを認めたという。畠山は、『ゴレンジャー』放映中の1976年、菅谷の結婚披露宴の司会も務めている。
途中、畠山が出演したい芝居に参加するために『ゴレンジャー』を休みたいと言い出したため、第55話で彼のキャラクターは一時消され、次の回から熊野大五郎(達磨二郎役)に代わった。畠山は第67話で残りのシリーズに復帰するが、大岩の復帰のために熊野は殺された。畠山は『ゴレンジャー』の撮影中、共演した宮内洋(神明アキラ/アオレンジャー役)と近所に住んでおり、撮影から戻ると一緒に夕飯を食べたという。
畠山が演じたキレンジャーは、当時の子どもたちに強烈な印象を与えた。スーパー戦隊の黄色いレンジャーといえば、強面、大食い、カレー好きというイメージがあるが、そのイメージに当てはまらない人も少なくない。地球戦隊ファイブマン』の星川レミ役は、早瀬圭子が断りかけたと言われている。また、畠山は戦隊ものの戦士を演じた最年長俳優でもあった。
しかし、ゴレンジャー終了後、なかなかレギュラーが決まらず、畠山自身は自分の仕事に誇りを持っていなかった。そんな畠山を心配した元ゴレンジャーの平山プロデューサーは、『怪傑ズバット』第29話(元ゴレンジャーの宮内が主演)のゲスト悪役をオファーし、畠山は快くそのオファーを受けることになる。
1978年7月13日、警察ドラマ『特捜最前線』のゲスト出演中に、畠山は自宅で首を吊って自殺した。遺書には、経済的な問題、キャリアの衰退、キレンジャーという型にはまった役柄から抜け出せないこと、などが書かれていた。34歳であった。ゴレンジャー』の海城剛役で『特捜最前線』のレギュラーだった誠直也は、後のインタビューで、畠山の自殺を防げなかったことを悔やんでいる。