ヴィヨンの妻

戦後の日本。人気小説家・大谷の妻、幸は気丈に振る舞っていた。大谷は優秀だが自堕落で、酒を飲み、借金を重ね、他の女に刺激を求める日々を送っている。大谷の行きつけの居酒屋の主人である美代と吉蔵の訪問により、幸は夫が多額の借金を抱え、金を盗んでいることを知らされる。借金返済のため、さちは酒場の給仕となり、その美しさと温かさで新しい客を呼び込む。そんな中、彼女は若い労働者、岡田と出会い、恋に落ちる。さらに、幸の昔の恋人・辻や、幸の夫の愛人・明子もやってくる。自立していく幸だが、夫への忠誠心は変わらない。