30年前、バンコクで大学生だったコーンとイントゥーチ。インタッチは、彼がバンコクで最も影響力のあるマフィアの息子であることを知りながら、コーンの人生に入り込んできた。当初、コーンはインタッチを遠ざけ続けていたが、自分とは正反対に生き生きとした少年に逆らえず、心を許すことにした。
しかし、同性愛が許されない時代、両親の反対もあり、コーンとイントゥーチの恋は絶望的なものになる。そんな中、イントゥーチは2人の未来のために戦い続けるが、コーンは恋人の抱える苦しみに耐え切れず、諦めることにした。その日、2発の銃声が鳴り響いた。
二人の物語は悲劇に終わったが、二人の間にはすでに何かが結ばれており、死後も二人を結びつけていたのだ。
それから数年後、タイに帰国したばかりのT大学1年生のファーム(19歳)は、いつも誰かを待っているような気持ちで育ってきた。悲しい夢を見ては顔を濡らし、大きな音を怖がり、こめかみにアザができるなど、少年はいつも誰かを待っているような気持ちにさせられてきた。T大水泳部3年の部長、ディーン(21)もまた、顔を覚えられない誰かを探し続ける人生を送ってきた。前世で結ばれた運命の赤い糸が、再び2人の少年を引き寄せ、思い出すに値しないかもしれない過去と、忘れられない愛を結びつけている。なぜなら、2人の心を結ぶ赤い糸は、常に片方をもう片方へと導くからだ。たとえそれがもつれたり伸びたりしても、決して切れることはない。
(出典)焼酎
~~ LazySheepの小説「赤い糸」から引用しました。