釜山市の一日の始まりと終わりを飾る地下鉄。それを実現するために、目立たないところで働く労働者がいる。夜勤の部屋を出て朝4時から働き始める車掌、多数のモニターの前に座る制御室の作業員、地下鉄の車両を点検する作業員、駅を掃除する掃除婦、車両の清掃、締め付け、分解、組み立てを行う修理工、線路の修理や点検を行う作業員。
アンダーグラウンド』は、彼らの労働を尊敬のまなざしで捉えているが、カメラの中で彼らを平等に扱ってはいない。カメラが特定の労働者に多くの時間を割いているのは、彼らの労働に階層と差別があるからだ。主に、より困難で危険な労働は非正規労働者が担っている。それは「死のアウトソーシング」の問題である。ドキュメンタリー映画『バスに乗れ』『影の島』で韓進重工業の労働運動をとらえたキム・ジョングン監督は、釜山地下鉄の非正規労働者にカメラを向けた。多くを語らず、長く観察するこの作品は、地下の下にもうひとつの「地下」があることを丁寧に、慎重に観客に伝えている。
(出典:HanCinema)