軍旗はためく下に

時は1971年、日本が連合国に降伏し、第二次世界大戦が終結してから26年後。ニューギニアで夫を亡くした咲江（左幸子）は、天皇、皇后両陛下が戦没者を追悼する式典を執り行う様子をテレビで見ていた。咲江はこの式典に参加することが許されず、政府からの年金も受け取っていない。彼女の夫は、休戦直前に脱走兵として撃たれたと陸軍省からの不可解な電報で知らされた。しかし、咲江さんには信じがたい話である。夫の死の真相を政府が意図的に曖昧にしたままにしていることに、彼女は疑念を募らせる。そして、夫の最期を知る4人の男たちから、悲惨な話を聞くことになる。