重度の結核と関節炎を患い、薬に頼るしかない死体安置所の葬儀屋、ユング。病身でありながら、死者を清め、服を着せることは、彼にとって高貴で、美しい仕事ですらある。ユングは死者の世話を黙々とする最後の生者なのだ。彼にとって死体安置所での生活は現実であり幻想であり、死体は彼の絵のモデルであり友人であり、唯一の生きる喜びなのです。
猫背で生まれ、孤児院に預けられたジュンは、ある女の養子となり、屋根裏部屋に隠される。その女の実子ドンベはジョンより年下で、男である自分の体を嫌悪し、ずっと女になりたがっていた。ジョンは年下の妹に愛着と共感を覚える一方で、ドンベの葛藤を重く感じている。毎日直面する死体が背負う生と死の重みに、ドンベとの愛憎を重ねながら、荒涼とした砂漠を渡るラクダのように、苦しみと渇きに黙々と耐えている。そして、妹への最後の贈り物となる最大のものを静かに準備する。