盲目の男性が、貝殻学の学者として活躍している。彼は貝殻の美しさと神秘性に惹かれ、その後、貝殻学の分野に専念するようになった。現在では貝殻研究の世界的な専門家として知られている。
その学者は、妻子と別居している。沖縄の離島で一人、貝殻を拾いながら平和に、しかし孤独に暮らしている。ある日、盲目の学者の前に一人の女流画家・泉が現れる。女は珍しい病気を患っている。学者は、ある貝の毒を使うことで、女の病気を治すことができる。この奇跡的な治療の噂は広がり、治療を受けるために多くの人々が江東区に集まってくる。学者の平穏な日々は一変する。
~~ アンソニー・ドーアの小説「シェル・コレクター:ストーリー・コレクション」を改作。