小川こずえは専業主婦で、秀男と結婚して7年になる。子どもはいないが、両親が営む花屋で同居しているため、毎日が賑やかである。生活にも夫にも満足しているが、これでいいのだろうかと思う。誰にも相談できないこの疑問に、こずえは折に触れて悩まされる。
こずえは、以前勤めていた雑誌の編集部でアルバイトを始める。かつての同僚は今、編集長として頑張っている。
ある雨の日、こずえは一人の青年と出会う。高校生の深澤拓真だ。どこか悲しげな表情を浮かべている。彼はダンスの先生をしている。ダンススタジオには、ふたりきり。
拓真はこずえの体に手を回し、ダンスの指導を始める。思いがけない距離に、こずえは躊躇する。胸が高鳴り、琢磨の手を押し退け、家路につく。しかし、胸の高鳴りは収まらない。そんなはずはない。でも、この気持ちはなんだろう?
(出典:TBS)