蝉しぐれ

武士は義務と名誉を旨とするが、歴史上の人々と同じように、欲と権力に突き動かされる者もいれば、友情、真実、愛に導かれる者もいる。この物語は、若き日の悲劇を乗り越え、偉大な剣士となり弱者を守る真の武士となった文四郎と、彼の生涯の恋人である福の物語である。10代で恋に落ちたふたりは、彼女の貧しさと彼の悲劇がふたりを引き離す。文四郎は、悪徳役人に父を自殺に追い込まれ、のけ者扱いされる。その後、その役人は文四郎を利用して、領主の妻となった福を殺そうとするが、文四郎は逆に福とその子供を助け、汚職を暴いた。それから数年後、文四郎とふくは再会し、互いの人生と心にくすぶる愛について語り合う。~~ 原作は、藤沢周平の時代劇小説「蝉しぐれ」。