世界の中心で、愛をさけぶ

“一生分の幸せを一瞬で使い果たしてしまうかもしれないと思った。それほどまでに僕は幸せで、彼女は美しかったんだ。”オーストラリアの青い空の下、赤い大地に立つ一人の少年がいる。17歳の松本朔太郎である。少女との時間が彼の中によみがえる。色のついた砂が手を伝い、頬に涙が浮かぶ。彼は目を覚ます。2004年、34歳の彼は日本にいる。彼は思う。”僕は17年間、彼女のいない世界にいたんだ “と。取り壊される前の最後の高校を見に帰郷したサクは、17年前に愛したアキを白血病で失ったことと改めて向き合う。大学院で医学の研究をしている彼は、それ以来、自分の半分が彼女とともに死んだかのように生きてきた。300万部突破のベストセラー小説を原作に、過去と現在が交錯する、純粋で切ないラブストーリー。