1975年12月10日午前0時、戦後最大の未解決事件である1968年の大胆な3億円強奪事件の時効が成立した。12万人の捜査員と約9億円の捜査費が費やされた。実は、盗まれた3億円には保険がかけられていた。その3分の2はアメリカの保険会社から支払われたが、当時、このことを知る日本人はほとんどいなかった。1976年、ニューヨークから1人の日本人が派遣される。アメリカの大手保険会社ENY火災海上保険の武田英也である。第二次世界大戦の敗戦後、ほとんど見かけなくなった日本に不満を抱き、母・良子を残して単身アメリカへ渡った。アメリカで次々と保険金がらみの事件を解決してきた武田が、久しぶりに日本に帰ってきた。彼の目的は、日本の警察も手をこまねいている3億円強奪事件の真相を突き止め、犯人に50万ドルの賠償金を支払わせること。武田は、日本の調査会社の現地調査員である中岡良子と高原薫の協力を得て、着々と捜査を進めていく。強盗事件後、容疑者として浮上したのは、不良グループ「カミナリ」のメンバーである浜野健司だった。しかし、当時事件を担当していたベテラン刑事の平沼要は、「犯人は単独犯」と断言し、現在の複数犯説を否定する。様々な情報から真相に迫ろうとする武田だが、日本の警察はアメリカから来たこの日本人を冷遇する。そんな壁にぶつかりながらも、武田は新たな証拠を目の当たりにする。~~ 原作は、松本清張の「三国演義」。