ロックバンド「ロッカーズ」は、誰もいないホールとたった一人のファンを自慢できるような、目立たない田舎のロックバンドである。大工の家業を継がず、ロックスターになることを夢見る仁(グループ・ソロ)。ベースのガクちゃんは、子供の頃から空を飛びたがるあまり、ありとあらゆる向精神薬を使用し、深刻な問題を抱えていた。ももちゃん(ドラム)は恋愛に縁がなく、失敗すると体に十字の刺青が残るばかり。こうちゃん(ギター)は、幼少期から姉二人にメイクのモルモットにされ、性的抑圧の塊のような存在。
バンドは殺伐とした日々を送るが、やがてギタリストの補強を迫られ、カリスマギタリストの谷が加入する。プロのミュージシャンとなり、スターとなり、多くのファンと女とドラッグを手に入れるのだ!」。
陣内孝則のデビュー作は、彼自身のバンド「ザ・ロッカーズ」の実話である。