この映画は、冷戦時代のタイ映画の慣例に従って、どの俳優も役に合った声で吹き替えをする。主人公は英雄的に、悪役は悪役的に聞こえる。
女性らしい可愛い声のトランスジェンダーのセックスワーカー、アンには、潜入スパイとしての特別な任務が課せられている。彼女はシスジェンダーの男性に変装し、好戦的でありながら理想主義的な学生活動家であるジットと恋愛関係になるのだが、ジットの声は邪悪である。ジットから重要な情報を引き出さなければならない。しかし、彼女は徐々に彼に惹かれていき、ミッションは失敗に終わる。最初は無関心だったアンも、ジットによって、人々が別の言葉で話すもうひとつの世界を見るようになり、徐々に目覚めていく。