中保六県は外敵に降伏して割譲され、沈之丞は都で保護され、皆から嫌われ非難される溺れる犬に成り下がったのである。蕭傑は騒動の匂いを追って、こちらに向かってきた。しかし、彼は他人を乗せる代わりに、自分の足で沈従源を蹴り、病人にした。この病人が反撃に転じ、血まみれになるまで彼に噛みつくとは誰が予想できただろうか。これが、顔を合わすたびに互いを引き裂く、両者の壮絶な抗争の始まりであった。
“運命は私を一生ここに縛り付けようとしたが、これは私が選んだ道ではない。黄砂は私の兄弟を深く沈めた。私は幻の運命に屈する気はない。詔勅は我が軍を救うことができず朝廷は我が馬の腹を満たすことができなかった。私はもうこのために命を捨てる気はない。あの山をひっくり返したい。私は自分のために戦うつもりだ。”
注:溺れる犬とは、好意や力を失って落ち込んでいる人のこと。
(出典: Jade-Rabbit)
~~ 唐酒卿の同名小説を翻案したもの。