パンドラII 飢餓列島

バイオ燃料への転換による穀物価格の上昇と、地球温暖化に伴う気候変動による不作で、世界的な食糧危機が発生する。主要作物の大半を輸入に頼っている日本は、輸入を止めると半年で深刻な飢餓状態に陥ることが判明する。政府はこの現実を隠蔽し、画期的な解決策を検討する。そんな時、通常の4倍の速さで成長する遺伝子組み換えトウモロコシの開発に成功した農学者、鈴木守がいた。人里離れた山中の研究所で、7年の歳月をかけて開発された奇跡のトウモロコシ。鈴木はこのトウモロコシを「神コーン」と名付ける。一方、刑事の八木沢修子は、河川敷にあった男の焼死体に違和感を覚える。彼女は自殺や事故死ではなく、殺人事件として捜査を開始する。奇跡の穀物「神コーン」の開発成功の報を受け、その権利を手に入れようとする政府、巨額の利益を生むマネーマシンを奪おうとするファンド会社。飢餓をなくしたいという純粋な思いで「神のコーン」を発明した鈴木は、欲望と陰謀が渦巻く世界に飲み込まれていく。この奇跡の発明は、人類の未来を守るためのものなのか・・・それとも、新たなパンドラの箱を開けるためのものなのか・・・？