第31回NHKあさドラは「おしん」です。おしん』は、日本の貧しい家庭に生まれた少女が、努力と忍耐によって、やがて苦難と逆境を乗り越え、名声と成功を手にする物語である。戦後の遺産を捨て、経済発展の恩恵を受け始めた1980年代初頭に放送されたこの作品の狙いは、子供たちがより豊かな生活を享受できるようにするために、上の世代が耐えてきた苦難を思い起こさせることにあったのです。視聴者は、主人公のおしんの苦悩に引き込まれ、自分の家庭の生活と重ね合わせた。
日本人の中には、「おしん」を海外に出すと、日本の評判が悪くなるのではないか、滅多に見られない日本の貧しい、不平等な面を見せることになり、恥ずかしくなるのではないか、と心配する人もいた。しかし、実際は逆であった。おしん」は、日本車や電気製品、あるいは第二次世界大戦中の苦い記憶でしか日本をイメージしていない海外の視聴者に、現代の日本と日本人をはるかによく理解させたのである。