オセアム寺院

ギルソンとガムエは、カトリック系団体が運営する孤児院で育った兄妹。養子縁組の好条件をあきらめ、一緒にいるために孤児院を抜け出した二人。5歳のギルソンと盲目の妹ガミーは、どんな苦難も乗り越え、故郷に帰ろうと強い意志を持つ。故郷に辿り着いた二人を待っていたのは、ダム建設によって町全体を飲み込んだ川だった。しかもガムエは、途中で出会った青年に乱暴されてしまう。ギルソンとその妹は僧侶のヘン・ウンと出会い、一緒に寺に泊まることになる。和尚が施しをするために留守にしていると、吹雪で寺への道がふさがれ、妹のアンジェラが何とか二人を見つける。ギルソンは青ざめた顔で、「妹が目を開けて見てくれるだろう」と言いながら、その場に座り込んでしまう。そして、そのまま死んでしまう。彼が座っていた小さな寺は「オセアム寺」と名づけられた。