エマは屋台で本を売ることで生計を立てている。お客の注文を忘れてしまうこともあり、小さな部屋の壁には付箋がびっしりと貼られ、やるべきことを思い出している。ある日、昔の友人から届いた手紙をきっかけに、彼女はすぐにでも旅に出ようと決意する。ラジオから流れる暑い日や様々な事件のニュースを見て、彼女の記憶力はどんどん低下していく。この映画はロードムービーであり、映画と現実世界の間に作り出される「現実的」な感性の特徴を観客に問うものである。衣装、プロット設定、撮影現場でのアートディレクションを通して吹き込まれた非国民的な曖昧さは、どちらの登場人物の視点からもあり得ることである。
(出典:SIWFF)