ある冬の日、堤防の下で無残に殺された男が発見されたことから事件は始まる。見物人の中には老侍の風間五郎左衛門(加藤剛)がいて、鋭い眼光で死体を見つめている。死体の身元が出羽国雁ノ沢の上原家の勘定方・高畑六助(津田寛治)であることから、犯人は最近同家を追い出された雨宮治三郎(八嶋智人)と思われる。実は治三郎は、父の敵である元上原藩士・五郎左衛門をずっと追っていたのだ。23年前、家老の命と江戸の代官による家財の横領に関する証拠を集めるために屋敷に忍び込んだところを、五郎左衛門が治三郎の父に見つかり、やむなく殺害することになった。江戸奉行・大岡忠相(東山紀之)は、23年前に遡るこの一家の複雑な事情を今回の事件に感じていた。そんなある日、突然現れた五郎左衛門は、六助を刀で殺したのは自分だと言い出す。殺人の真相とは、そして大岡はこの事件をどう裁くのか?