ある日 (2016)

デンチャイは30歳のオタク系ITオフィサーで、同僚が技術サポートを必要とするときだけ存在を認められる。同僚から助けを求められるたびに、自分の名前すら覚えてもらえず、さらに疎外感を感じている。
そんなデンチャイの日常が一転、マーケティング部の新入社員ヌイのプリンターを修理することになる。ヌイは偶然にも彼の名前を正しく読み上げ、彼に再び価値を見いださせる。しかし、ヌイを遠巻きに見ているだけで、自分には無縁の存在だと思い込んでいた。
ある日、会社の旅行で北海道のスキー場に行くことになったデンチャイは、スキー場のシンボルである幸運の鐘に願い事をする。その願いとは、「ヌイを1日だけ自分の彼女にしてほしい」というもの。
皮肉なことに、ヌイは一人でスキーに行き、雪の中で気を失ってしまう。目を覚ますと、彼女はTGAと診断されていた。TGAとは、たった1日だけ記憶がなくなるという珍しい病気だ。
これは運命のいたずらだと思った伝一は、憧れの彼女に、自分は恋人だと嘘をつき、一緒に北海道を旅する約束をした。たった1日の恋のために、どんな不可能なことでも、どんな結果でも、すべてを賭けることができますか？