母さん、俺は大丈夫

佐々木家の次男、佐々木亮平は島根県に住む高校生。少年サッカークラブの副キャプテンに選ばれたばかりだ。県大会出場を目指し、仲間たちと練習に励む毎日だ。母・萌子は、3歳から難病で長期入院している寝たきりの弟・翔平の世話にかかりきりで、父・浩との二人暮らしのような生活を送っている。
ある日、亮平は激しい頭痛に襲われ、病院に運び込まれる。兄の鉄平も京都の職場から急いで駆けつける。検査の結果、亮平は急性脳腫瘍と診断される。主治医はすぐに摘出しようとするが、腫瘍は脳の最深部にあり、摘出できない。手術は中止される。家族は医師から亮平の余命を宣告され、絶望する。しかし、亮平は力を振り絞り、「俺は勝つ。病気には勝つ”。その言葉に背中を押され、佐々木家は前向きに生きていこうとする。両親は、亮平の病状を好転させる方法を必死に模索し、その結果、亮平は石川県立総合医療センターで手術を受けることになった。鉄平も会社を辞め、萌子に代わって島根で翔平の面倒を見る決心をする。これにより、亮平と母親は石川の病院で生活を始めることになる。皮肉なことではあるが、亮平の病気によって、初めて母と子が向き合う時間ができた…。
そんな時、亮平が所属するクラブのコーチを務める永田が、県大会の予選突破を目指せとメンバーを激励する。しかし、亮平の親友である有竹純太と黒木透は、亮平の不在によって闘志をなくしていた。宏は練習をサボった有竹たちを見つけ、亮平が入院している病院に連れて行く。そこには、石川での手術が成功し、リハビリに励む亮平の姿があった。メンバーは亮平の粘り強さに感動し、サッカー部は県大会の予選を1回戦で突破する。そして、ついに決戦の時を迎えるが…。