地盤沈下が続く台湾南西部のカキ養殖の村では、王船祭りの準備が進められている。数年前に離れた故郷に、もうすぐ30歳になる男、盛次が帰ってくる。30歳を目前にして、数年前に離れた故郷に帰ってきた彼は、優越感に浸り、実業家のように派手な振る舞いを見せる。牡蠣養殖に明け暮れる頑固な父の前では、もろい自分を偽り、幼なじみは彼の「経済的成功」をねたみ、一攫千金を目論む。潮が引いていく中、小さな牡蠣養殖の村の人々は、外すことのできない仮面をつけている。帰還、再会、再接続の物語である『オホン村』は、閉塞した都会の世界と、疎遠になった田舎の家族の間に追い詰められた人々の姿を描いている。