俳優パク・ジョンボムが演じる主人公をはじめ、登場人物たちは、パク・ジョンボム監督がこれまでに作った作品では、常に貧しく、狩られ、困惑している。この『この世ならざるもの』でも状況は同じで、パク・ジョンボム監督が見ている世界の環境というだけでなく、一種の自己鍛錬、自己拷問をベースにしたパク・ジョンボムの映画作りには欠かせないもののようだ。この世界にはいない』には、ラッパーになるために自分を売る少女、同年代のギャングに追われ踏みつけにされる青年、懺悔と自己鍛錬を延々と繰り返す男が登場する。重要なのは、登場人物たちが最終的に絶望という感情的な達成をすることだ。それに、もっと驚くべきことがある。今回は、思いがけない強力なファンタジーも登場する。
(出典:BIFF)