1974年の東京のある日、ホテルの最上階に向かうエレベーターの中で、無精髭を生やした黒人の青年が謎の死を遂げる。ナイフで胸を深く刺されていた。彼の頬には一筋の涙が流れていた。現場に駆けつけた麹町東署の宗末光一郎刑事は、警視庁捜査一課の横渡真輔とともに、少年の死について捜査を開始する。そして、青年が向かったホテルの最上階で聞き込みを開始する。その日、最上階では有名美容師の八杉恭子が主催する大レセプションパーティーが開かれていた。マスコミや招待客が詰めかけ、京子は民団の有力議員である夫の洋平、大学2年生の一人息子・恭平とスポットライトを浴びていた。京子さんは、理想の妻、理想の母親として全国から慕われている。殺害された青年は、パスポートからジョニー・ヘイワードと判明する。しかし、彼は京子のパーティの招待客ではなかった。残されたのは詩集と古い麦わら帽子だけだった。その後、二人の刑事は、ニューヨークのスラム街で育ったジョニーのこと、たどたどしい日本語を話すこと、死ぬ間際に「ストハ」と謎の言葉を残したことなどを知る。捜査が進むにつれ、やがて京子の名前も浮かび上がってくる。
(出典: Jドラマ)
~~ 森村誠一のベストセラー小説、名作殺人ミステリー「人間の証明」を映画化。