泣くな、はらちゃん

原ちゃんが安い居酒屋で酔っ払ってボヤいてる。それが日常茶飯事である。いつもむしゃくしゃしているが、それを打開する知恵も勇気もない。これが漫画「なくもんか原ちゃん」の主人公、原ちゃんである。この漫画の作者は、かまぼこ工場で働く地味なおばさん、越前さん。彼女は日記の代わりに、自分の中の鬱憤をすべてノートに書いてこのマンガを描いている。生きる気力を失っているように見える越前さんにとって、これが唯一のはけ口だった。そんなある日、奇跡が起こる。原ちゃんは、ふとしたきっかけで、初めて自分が世界を見ていることに気づく。太陽の暖かさ、風のそよぎ、星のきらめき。マンガの世界から、現実の世界に飛び出したのだ。現実の世界では、原ちゃんは越前さんに恋をしている。たとえ彼がこの「現実」の中で人間でなかったとしても。– Jdramas Weblog