トニー・デ・グズマンはアンチヒーローである。彼によれば、人生は短く、残酷で、決して自分の味方にはなってくれない。できるときに、できるものを手に入れる。決着をつける。乱痴気騒ぎをする。ルールを破る。システムを騙す。我慢して
トニーは、スラム街の殺伐としたサーカスのような場所で、裏社会の住人たち、つまり、体の不自由なヒモ、孤独な主婦、近所のゲイとマッチョな父親、売春婦、小悪党政治家、ヤンキーのロリコンと一緒に暮らしているが、厳しい状況しか知らない。これは彼の物語であり、彼が生きる世界の物語である。絶望的で閉鎖的な老朽化した世界は、種をまいたようなものだ。
モンドマニラは、都会のディアスポラの底辺の生活を、歌とともに、冷徹に、そして面白可笑しく描いた作品である。