藤と千秋は仕事が忙しく、最近連絡を取っていなかった。久しぶりに千秋に誘われて、横浜の有名な建築物を見に行くことになった。二人が向かったのは、日本を代表する建築家・前川國男の「神奈川県立図書館・音楽堂」で、戦後を代表するモダニズム建築を堪能する。横浜を訪れた藤は、千秋が来た本当の目的を知り、ホテルニューグランドに招き入れる。そこで千秋を待っていたのは、年配の上品な女性、宇野洋子だった。彼女が差し出したのは、手書きの設計図。それは、建築家の浩一が設計したものだった。病気が発覚した父の最後の仕事を思い、千秋はある行動を起こすことにした。
(出典日本語=Paravi.jp|翻訳=Kaisrexci