門司港にある病院の看護師と台湾からの旅行者の運命的な出会い。
深山夏樹は仕事帰りに、意識を失った林美玲が心配そうに人だかりに囲まれているところに出くわした。”やっと見つけた… “意識のある美玲は中国語でそう吐き捨てると、突然夏樹の手を引いてその場を逃げ出した。
逃げながら美玲は、その日、自分がどこかに行かなければならないこと、それを探すために夏樹の力が必要であることを明かした。美玲の体調を心配した夏樹は、美玲の体調を診てもらうことを条件に、美玲を医者に診せることにした。しかしその時、美玲は夏樹にその場所の唯一の手がかりを見せた。奇妙な洞窟を背景に、カメラに向かって微笑み返す少女の写真が一枚だけ写っていたのだ。
その洞窟はどこにあるのか?なぜ美玲はあの日、何が何でもそこに行かなければならなかったのか?写真の中の少女は誰なのか?一見、偶然のような出会いが、少しずつ運命的に絡み合っていく……。
(出典:めぐり逢い)