真昼の悪魔

作家を目指す青年・南波雅人は、ある日、腹部に耐え難い痛みを感じ、病院に運ばれる。外科医の大河内葉子は、彼を虫垂炎と診断する。女神のように美しい彼女は、彼の地獄のような痛みを和らげてくれる。手術に成功し、入院した彼は、彼女が主治医であることを喜ぶ。しかし、これは大きな絶望と破滅の始まりだった。社交的で明るく、患者にも親切に接する陽子。しかし、彼女の素顔は、自分でも理解できないものだった。幼い頃からあらゆる事象に無関心で、無表情で、不道徳。苦しんでいる人を見ても同情せず、罪悪感もない。狙った人物や出来事があると、衝動的にダークサイドに走ってしまう。