27歳の矢崎純平(勝地涼)は、東京での仕事を終え、10年ぶりに故郷の愛媛県松山に帰ってきた。夏目漱石の小説『坊っちゃん』で、坊っちゃんを懲らしめた悪人「赤シャツ」の孫として、蔑視され続けたこの町を子供の頃から憎んでいた。道後の実家に向かう路面電車の中で、純平に喧嘩を売る老人(山崎努)。この男は、かつて松山で自由奔放に暴れた坊っちゃんではないか!?運命の予感を拭いきれない純平は、老人の高圧的な振る舞いに、怒りがこみ上げてきて反応する。その時、松山のシンボルである道後温泉本館が、創業120周年を記念して建て替えられた後、初めて修復されることになった。道後商店街で働く純平の中学時代の同級生・高砂ゆかり(瀧本美織)は、これを機に町おこしを計画し、純平とぼっちはその大きな渦に巻き込まれていく。果たして二人の運命は……。