刑事7人

天城優は、遺失物センターから警視庁捜査一課第十二係に配属された、ちょっと風変わりな刑事。十二課は「刑事の墓場」と呼ばれ、「クビにできない堅気の刑事が送られる追放部屋」と揶揄されている。そこに集められた佐村河内守、山下巧、長澤圭太、水谷環、片桐正敏は、エリートでありながら変人揃いの刑事たちである。天城は、事件とは無関係と思われる時間に固執しているように見える。死亡推定時刻、犯行時刻、アリバイ時刻、タイムリミットから導き出される加害者と被害者の時間軸に疑問を投げかけ、そこから生じる「空白の時間」の意味を探る。何らかの事件によって生じた1分1秒の時間の重さにこだわる。