かもしれない女優たち 2016

もし、女優の広末涼子、井川遥、斉藤由貴が人生のターニングポイントで異なる道を選んだとしたら、どんな人生を歩んでいるだろうか。この世界では、広末は1997年に反町隆史と竹野内豊が共演した大ヒットドラマ『ビーチボーイズ』に出演して、いきなり有名になることはなかった。彼女は、家事のパートで食いつなぎながら、女優をあきらめきれない30代半ばの苦労人だ。広末はイケメンとの新婚生活を妄想し、同い年の売れっ子女優・竹内結子に嫉妬している。孤軍奮闘しながらも、毎日家事育児に励んでいる。一方、井川は当時写真集「Good Vibrations」を出しておらず、癒し系モデルのブームが去った今ではすっかり忘れ去られている。意外な展開で俳優の藤木直人と付き合う。ささやかな幸せを味わいながらも、なかなか結婚に踏み切れない関係に焦りを感じ始める。井川は40歳を過ぎたにもかかわらず、衝動的に俳優への転身を図るが……。斉藤は純粋なアイドル像を崩すことを恐れ、1985年の『スケバン刑事』には出演しなかった。一発屋に終わり、フェードアウトしてしまった。10代の頃を取り戻すため、大学に進学し、女性科学者を目指して物理学を専攻する。20歳前後の若者に混じって、お見合いパーティーにも参加し、学生生活を満喫する。夜は、女優の夏帆も通う人気バーを経営している。