ジョンホは、観客が何も知らないキャラクターだが、ソヒョンを見捨ててしまう。彼女は今、家を離れ、どこかのモーテルで自殺を図ろうと一人でいる。そんな彼女のもとに、どこからともなくトランスジェンダーの女性、ジェーンが現れ、ソヒョンを助けてくれる。ジェーンは家出少年たちの世話をしていることがわかり、ためらうことなく少女を自分の小さな「家族」に迎え入れ、落ち着けるように手助けをする。しかし、ジェーンが亡くなり、ソヒョンはまたもや路頭に迷うことになる。しかし、その「家族」は強靭で残忍な男によって運営されており、「家族」が生きていくためのお金をどれだけ手に入れられるかで上下関係が決まるのだ。二つの家族、二つの生き方。どちらが本物で、どちらがソヒョンの想像の産物なのか。幸せな家庭に憧れ、それを想像するソヒョンだが、実際に住むことになるのはどちらなのか?
本作は韓国映画振興院の独立映画基金の支援を受けて製作され、2016年のBIFFでCGVアートハウス賞を受賞した。