白昼のイカロス

冬の夜、上京したハルヲは、友人のアツコとその彼氏の家に転がり込む。そして、大都会の片隅にあるビルの2階でひっそりと営業している雀荘でアルバイトを始める。中学時代、ほとんど学校に行かなかったハルヲは、それ以来、心に空白を感じていた。しかし、この雀荘で彼女は、まるで引き寄せられるように、自分と少し似たような仲間たちと出会う。視覚に障害のある店長・間口は、窃盗を繰り返したと噂される元カメラマン。恋人の朝子は、かつて精神病院に入院していたことがある。ハルヲの同僚アランは、足に原因不明の障害を抱えている。時間が経つにつれ、ハルヲはこの人たちに深い愛着を感じ始めるが、その幸せは長くは続かない。