アジア通貨危機の後、韓国の暴力団は資本主義の強さに適応する以外に選択肢がない、というのが前提だ。勝ち負けを競う厳しいビジネス環境の中で生き残るためには、対立する暴力団も企業的な合併で力を合わせ、無謀なリストラを推し進めるべきだというのである。
そのためには、合併したマフィアグループの大幅な組織再編を行い、多くの下っ端や中間管理職を失脚させる。もちろん、トップは、ヤクザの利益を最大化するために、重複する役職を排除する必要性を強調する。
ムサン組のNo.2だったテハンもその一人だ。ムサン組のNo.2だったテハンもその一人である。
初監督のチェ・ソンチョルは、「マガン」(本来は「ペク・マガン」だが、整備不良で頭文字が欠けている)という名の古めかしいホテルでのテハンの苦労を、上映時間のほとんどを費やして描いている。
テハンと3人の部下は、ミナという清純そうな女性ホテルマンが経営するマガンホテルに車を走らせる。テハンと3人の部下は、ホテルのオーナーから金を取り戻すために、ギャング特有の「脅し」の手法を取る。