再開発で取り壊されることになった古い家に、30歳のケンジは一人で住んでいる。母親は何年も前から行方不明、父親は地方で旅館を営み、妹は世界中を飛び回っている。賢治はひとりぼっちになってしまった。将来性のない仕事に就き、退屈な日々を過ごしている。そんな賢治に疎開の時期が訪れる。深夜、上司が街を飛び出し、職を失う。やることもなく、行くあてもない。不動産会社に家の鍵を渡し、そのまま住み続ける賢治。そこに突然、コロ助、弥太郎、お吉という3人の子供が現れ、水風船で家を襲い始める。健二はホースで水をかけ、反撃に出る。それ以来、3人の子供たちは毎日賢治の家を訪れ、賢治と一緒に遊ぶようになる。賢治は、母親のいないコロ助に、いつか水族館に連れて行ってあげると約束する。賢治と同じ学校を卒業し、今は不動産会社に勤める望。健二の家を訪ねたのぞみは、健二がまだそこにいる理由があるのかと問いただす。賢治は答えられない。その夜、コロ助は一人で賢治を訪ねてくるが、賢治はコロ助を追い出してしまう。