ヘヨンとヘジョンという二人の姉妹の心温まる物語。以前、障害者施設に入所していた妹のヘジョンと共に、この社会を生き抜くために奮闘するヘヨンの姿が描かれている。障害を持って生まれたというだけで、13歳から30歳までケアセンターで暮らすしかなかったヘジョンだが、ヘヨンは妹の生き方に疑問を持ち始める。姉妹は同居し、一緒に買い物や食事をするなど、社会人として生きていく準備をする。しかし、ヘジョンはこの社会をよく思っていない。そのため、ヘジョンの世話に明け暮れ、2人はお互いをよく知るようになる。同時に、この映画はヘジョンを取り巻く人々にも目を向けている。そこにこの映画の真の強さがある。社会的マイノリティとして透明な存在であり続けなければならなかったヘジョンの人生に、私たちは同情したり吹聴したりすることはない。また、妹の世話をするヘジョンの仕事を重荷に感じたり、疲弊させたりすることもない。この映画は、ヘジョンが本当の自分になるための旅と、ヘジョンと友人たちが彼女の新しいアイデンティティと折り合いをつける方法との間で、バランスをとっているのだ。その結果、世話をする側とされる側の両方に対して対称的な視点が生まれる。
(出典:HanCinema)