母の死をきっかけに、東京で生計を立てている伊藤香奈は、故郷の岐阜県奥飛騨に戻ることを決意する。幼い頃のトラウマから、実は香奈は奥飛騨を嫌っている。香奈の同級生だった森田真一は、今も奥飛騨に住み、哲治と春子の両親が経営する温泉を手伝っている。真一も今の生活が嫌でたまらないが、夢をあきらめるしかない。奥飛騨での滞在中、香奈と真一は、奥飛騨をこよなく愛する同郷の小谷義夫に出会う。小谷にとって、鉱山と線路は奥飛騨の宝であり、そうでない人がいることが信じられなかった。カナにとって、小谷との会話は、奥飛騨での生活の中でたった1度だけ起こった幸せな出来事の記憶を呼び起こす。北アルプスの麓で、奥飛騨の宝物との出会いは、香奈と真一の人生観を大きく変えることになる。
“人生にはトンネルがある。でこぼこ道もある。その分、生きているだけで人間は強くなれる。”– by NHK