おにいちゃんのハナビ

9月9日、片貝花火大会の日。白血病で半年間入院していた高校生のハナが退院してきた。そして、兄の太郎がひきこもりになっていることを知る。優しく、賢く、妹思いだった太郎は、妹にさえ背を向け、部屋に閉じこもってしまう。両親は、そんな太郎に何の問題もないかのように振る舞う。
その夜、花は片貝花火大会に参加し、町の青年団が楽しそうに来年の花火大会の計画を立てているのを見る。太郎の殻を破るため、太郎を青年団に引き入れることにする。花は太郎を部屋から連れ出し、青年団の事務所に行く。しかし、残念ながら太郎は入会してもらえなかった。しかし、花は太郎を社会復帰させようと、新聞配達のアルバイトや、片貝花火大会の成人会に参加させる。
花に助けられながら、太郎は少しずつ心を開いていく。そんな中、冬が近づくにつれ、ハナが白血病を再発。毎日お見舞いに来ていた太郎は、片貝花火大会がはなにとって幸せの象徴であることを知る。そして太郎は、花を幸せにするために、もう一度、町の青年団に入団を打診する。